線量計の普及のために
計測部会では、平成27年度より「簡易線量計作製セミナー」を開催しております。このセミナーでは、簡易線量計のキット(一般撮影領域:16,000円・乳房撮影領域:17,000円)をご購入頂き、自分自身で半田付け等をして線量計を組み立て頂きます。
この線量計は東京都立大学の小倉泉教授が発案され、線量の日常管理を目的に開発されました。線量計を持っていない施設でも、積極的に線量管理して欲しいという願いから考案された線量計です。簡易線量計の構造および精度の詳細は、本学会誌2014年12月号に掲載されておりますので、そちらをご覧ください。
現在、残念ながら一般撮影用の線量計を持っている施設はまだまだ少なく、どの施設も定期的に線量測定を行っているとは言い難い状況にあります。このセミナーでは線量計をキット化し、組み立て作業を自分たちで行うことで、安価で線量計を提供しています。もちろん、ただ線量計を作製するだけでなく、その場で校正を行い、その線量計にトレーサビリティを持たせる意味も合わせて啓発しています。
我が国でも診断参考レベル(DRLs)が報告され、各施設での線量把握の重要性が増し、線量計が必要になると思われます。線量計をお持ちでない施設の方は、ぜひこの機会にセミナーへの参加をご検討頂ければ幸いです。